ループペダルを自由自在に駆使した独特の演奏スタイル。そして感情に訴えかける歌声で、見るものをあっという間に魅了してしまう。
たった一人で圧倒的なバンドサウンドを作り上げるマルチインストゥルメンタリスト 。それが、Tash Sultana(タッシュ・スルタナ)です。
マルチインストゥルメンタリストといえば近年ではFKJも有名ですが、まだまだ日本では認知度が低い彼女。ただ、一度聴けばその魅力に絶対とりつかれるはずです!(僕自身がそうでした)
ということで今回はタッシュ・スルタナの魅力や生い立ちを紹介したいと思います。
Tash Sultanaの魅力と特徴
結論からいうと以下の3つかと思います。
- 様々な楽器を使い分け、一人アンサンブルで曲を作り上げる独創性
- 感情に訴えかけてくるエモーショナルな歌声
- メロディメーカー、プレイヤーとしても一流
Tash Sultana はこんなアーティストが好きな人におすすめ
しっとりとしたメロディで聴かせるアーティストだけでなく、
テクニカルなギタープレイが好きな人にもおすすめです!
ギター、ベース、パンフルートまで! 演奏できる楽器は約20種類
彼女は曲作りから作詞まで一人で手がけるシンガーソングライターなのですが、最たる特徴はすべての楽器を一人で演奏する点にあります。
ベースやキーボード、トランペット、パンフルートなど、様々な楽器を独学で習得し、今や演奏できる楽器の数は約20種類にものぼるとか。
それらの楽器を自由自在に入れ替え、「ループペダル」を使って次々と音を重ねていき、アンサンブルのように曲を作っています。
ループペダル・・・楽器で鳴らした音や歌声をその場で録音し、繰り返し再生する機材。音の厚み、独特のグルーヴ感を生み出せるが、使用にはリズム感やテンポキープ力など、演奏者のスキルが求められる。
感情を揺さぶる、エモーショナルな歌声
こればかりは生来のものとしか言いようが無いのですが、声がもう…本当に素敵!
しっとりと流れるように歌い上げたり、クリアなファルセットを聴かせてくれたり、かと思えば魂が震えるようなシャウトまで浴びせかけてくる。
「感情に訴えかける歌声」というべきか。良い意味で、聴き手の心に土足で立ち入ってくるかのような、そんな不思議な魅力が彼女にはあります。
トラックメーカーとしての能力、プレイスキルも一流!
楽曲はマイナースケールでしっとりと進行する雰囲気のものが多いのですが、その中で突如爆発したかのように始まるディストーションごりごりのギターソロや管楽器ソロ。
緩急の付け方が半端じゃないんですよね。ゆらゆらと続く曲の中に与える不安定なエッセンスにこそ、彼女の人間性が表れているようにも思います。
そしてレコーディングはもちろん、ライブでも一人で全ての楽器を演奏します。むしろ、ループペダルを使った演奏法はライブで真価を発揮します。次々と楽器を入れ替えながら繰り広げる圧倒的なステージングは圧巻の一言です! YouTubeでも動画が見られますので、ぜひチェックしてみてください。
https://www.youtube.com/channel/UCdXHuzr3AS3iyPxKSBK15oQ
生い立ちからデビューまでの経歴
オーストラリア・メルボルンで生まれ育った彼女は、3歳のときに祖父からギターをプレゼントしてもらったことがきっかけで音楽に初めて触れます。
地元メルボルンではバンド活動も行っており、様々なコンテストで賞も獲得。一気にスターダムを駆け上がっていくかと思いきや、デビューまでの道のりは決して輝かしいものではありません。
17歳のときに悪い友人を持ってしまい、ドラッグにのめり込みます。様々な症状に悩まされながらも数ヶ月セラピーに通いドラッグ中毒を克服。 しかし、彼女はその過去から偏見をもたれ、定職に就くことができませんでした。
だから私はこう決めた。「世間の言う『正しいこと』になんか従うものか」
TED☓UniMelb 2018 より
そして大学にも行かないと決め、バスカー(ストリートパフォーマー)として活動して得たお金で生計を立てていましたが、結果としてこれがエージェントの目に止まり、デビューのきっかけとなります。
地元オーストラリアではすぐに有名となった彼女ですが、SNSにアップされたある動画が発端となり、世界的にも認知度を上げることとなりました。
わずか5日で100万再生超え! 代表曲「Jungle」の拡散
2016年にSNSに投稿された、代表曲「Jungle」はあっという間に拡散され、わずか5日で100万再生を突破。
ギターリフを皮切りに、次々と音が重なり、一つの曲になっていく。そんな 「ループペダル」によるアンサンブル手法は世界の人の心をわしづかみにしました。
悲しくも神秘的。非凡なソングライティングで世界へはばたく
そしてオーストラリアでの公演は完売必至、全世界の大型フェスにも次々と出演するようになり、2018年には1stフルアルバム「Flow State」を発表。ロックはもちろん、レゲエやラテン、ライブでのギターソロに見られるようにメタルのエッセンスまで取り込み、ジャンルの枠を超えた13曲を収録しています。
上の動画は僕の大好きな一曲「Notion」。クリーントーンをベースにゆるやかに展開されていくかと思いきや、堰を切ったように加えられるゴリゴリのギターソロ。
メロウでエモーショナルなメロディや歌詞の世界観とも絶妙にリンクし、静寂と儚さをイメージさせます。
【2019年2月追記】気になる来日予定は…
2019年2月28日のサマーソニック追加ラインナップ発表で、Tash Sultanaの出演が決定しました!
初来日となる今回、どんなパフォーマンスを繰り広げてくれるのかが楽しみですね!
ちなみにタッシュ・スルタナが好きな人にはFKJもおすすめです。同じくサマソニ2019に出演決定していますので、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。
otomonokotoでは、今後も注目のアーティストを国内外問わずレビュー予定です。皆さんのおすすめのアーティストもぜひ教えてください!
https://www.youtube.com/channel/UCdXHuzr3AS3iyPxKSBK15oQ
※本記事は英語版wikipediaの情報を一部参考に作成しました。
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