タイのフェス「Maho Rasop Festival」に行ってきた
「サマソニとフジロックには毎年行ってます」という洋楽フェスファンの皆様、こんにちは。稲尾ヒロです。
そんな皆様はきっと「海外フェスに行きてぇ!」と思ったことが一度はあるのではないでしょうか。
ただ、コーチェラやグラストンベリー、レディング、ロラパルーザといった海外の大型フェスに行くのはとにかくハードルが高いです。英米に渡航して4泊5日するだけでも十数万円の出費は覚悟しなければいけません。
さらに飲食代やチケット代も嵩んでくるので、僕含め、普通のサラリーマンには気軽に行けるものでは決してありません。
そこで皆さんに朗報です。
タイのフェス「Maho Rasop Festival」がめちゃくちゃオススメ。
僕も今年(2019年)初めて参加したのですが、チケット代、渡航費、宿泊費(3泊)、飲食代込み込みで出費は総計約6.5万円ほどでした。これでも贅沢している方なので、5万円台、あるいはそれ以下に抑えることも可能かと思います。
で、出発前に情報を集めようと思ったのですが、会場の様子やフードブースの相場観などを詳しく書いた記事が一切無かったので、少しでも参考になればと、この記事をしたためた次第です。
この記事ではMaho Rasop Festival(以下マホラソップ)の会場ガイド、ステージの様子、混雑具合、フードの価格などを一挙紹介します(ライブレポはありません。すみません)
Maho Rasop Festivalはこんな人にオススメ!
- 出費は抑えつつ海外フェスに行ってみたい
- ゆるい雰囲気のフェスが好き
- ビッグネームよりもインディーアーティストが好き
Maho Rasop Festivalってどんなフェス?
2018年にタイ・バンコクで初めて開催されたインターナショナルフェス。タイでも国外アーティストを招くフェスが増えつつありますが、その先駆け的存在です。
中・小規模のフェスですのでビッグネームのアーティストは出演しないものの、インディーミュージックファンなら満足間違い無しのラインナップが特徴です。
2018年は1日のみの開催。The Vaccines、Slowdive、Washed Out、PREP、DEANなどが出演した中・小規模のフェスです。日本からはLucie,Tooも出てたみたいですね。キュレーターのセンスが絶妙。
好評を博したのか、2019年は11月16・17日と2日間に渡って開催されました。
当然アーティスト数も倍近くに。2019年に再始動したBombay Bicycle Clubを筆頭に、キンギザ、THE HORRORS、THE DRUMSなど非常に良い具合の面構え。なかでもホラーズはこの年アジア圏でのライブがマホラソップのみでしたので、よく呼べたなと。
さらに日本からはCHAI、ネバヤン、LITEといった人気バンドも登場。海外アーティストにあまり興味が無い友達も誘いやすい!
出費についてまとめ
ここが一番気になるポイントかと思いますので先にまとめておきます。
- 航空券(往復)…3.3万円(スカイチケットで最安値を確保)
- フェスチケット代…1.25万円(Phase1で確保。詳細は後述)
- ホテル代…1.2万円(3泊。安いホテルなら3泊で5,6千円に抑えることも十分可能)
- 会場飲食代…5000円
- 交通費、場外での飲食代…3000円(ホテル近くのセブンイレブン活用)
総計約6.5万円
とまあ、相当お値打ち価格で行けます。物価が安いので飲食代やホテル代がグッと抑えられるんです。
チケットの取り方について
チケット予約サイト「Melon Ticket」が公式のプレイガイドになってます。基本的には画面の指示に従えば購入できるので、多少の英語力があれば問題なく取れるはずですが、後日解説も追記しようかと。
2019年のチケット価格は以下の通りです。
- アーリーバード(たしか6月くらいまでの限定販売):2990バーツ(約10,800円)
- Phase1(早割。開催前月くらいまではある):3490バーツ(約12,500円)
- Phase2(開催直前まで):3990バーツ(約14,000円)
- at door(当日券):4,290バーツ(約16,000円)
※価格は全て2日通し券。この他1日券、ちょっとお得な4人グループ券もあります。
チケット予約が完了すると、登録したアドレスにメールが届きます。メールの中にQRコードが載っているので、当日は会場入口でQRコードを見せれば、リストバンドと交換してくれます。
また、開催前週くらいに「チケット情報を事前登録してください」という旨のメールが届きますので、画面に従って登録をしておくとスムーズに受付できます。忘れていた場合も、会場でスタッフが登録の案内をしてくれるので大丈夫です。
会場へのアクセス
マホラソップの会場は、バンカピ区の「Live Park Rama 9」というところ。
バンコクの中心地からは少し離れた場所にあるので、タクシーで向かうか、エアラインの「ラムカムヘン駅」で降りて徒歩(約20分)で向かうのが良いでしょう。
海外旅行自体が初めてで言葉に不安がある人は、タクシーを使うなら「Grab Taxi」を利用するのがおすすめです。
サービスの詳細や使い方は数多のブロガーさんが丁寧な記事を書いているのでググってみてほしいのですが、アプリ上で目的地を入力すれば今いる場所まで迎えに来てくれて、何も言わずとも届けてくれます。しかも事前決済可能なのでぼったくりの心配が無いという神サービスです。
★会場目の前にホテルもあります
なお、もはや移動すらめんどくさいという人は、会場まで徒歩5分の場所にあるホテル「ロイヤルスイートホテルバンコク」に泊まるのがおすすめ。
僕も今回ここに宿泊しましたが、部屋がめちゃめちゃ広いし洗濯機もついてるしサービスもしっかりしてるしで、文句なしのホテルでした。ホテルの向かい側にセブンイレブンがあるので、買い物も不便しません。
にも関わらず、3泊泊まって一人あたり約9,000円という安さ。フェスの規模感的に混み合うこともまずありません。(2週間前でも余裕で予約取れました)
ご覧の通りの近さ。ホテルを出たら北にまっすぐ進めばすぐ会場です。車通りの多い道路を挟んでいますが、タイミングを見計らえば普通に渡れます。タイの人はみんなそうしてますのでご安心を。
Maho Rasop Festival会場の様子
前置きもほどほどに、会場内の様子を紹介していきましょう。
リストバンドの交換はQRコードで。ただしパスポートは必須
会場到着後、まずは受付でリストバンドを交換しましょう。チケットの事前登録が済んでいる場合は、メールのQRコードをスタッフに提示すればOKです。
が、同時に身分証明書の提示が必須となっています。
いわゆるIDチェックというやつですね。近年の情勢を受けて、海外フェスはどこも厳重にチェックしてるようです(むしろ日本がゆるすぎるのだとか)。
なのでパスポート(コピーでも可)は絶対に持っていくようにしてください。万が一入場できないなんてことになれば最悪です。
また、持ち物チェックも結構厳重に行われます。マホラソップHPには持ち込み禁止物についても記載があるので、あらかじめチェックしておいた方が無難でしょう。(傘が禁止だったりします)
開演は15時ごろ、終演は24時ごろ
見づらくて申し訳ありませんが、会場入ってすぐの場所に設置されているレイアウト図&タイムテーブル。
開演は15時ごろ、終演は24時ごろと、一番暑い時間帯は避けてくれています。タイは11月でも日中30度を超えます。適度に休みながら楽しみましょう。
ステージ間の距離がものすごく近い
上の画像が公式の会場レイアウト図。全部で3つのステージがあり、大きさ順にYOKLOR STAGE(キャパ300人ほど)<KHAMRAM STAGE(キャパ1500人ほど)<MAHOLAN STAGE(キャパ3000~4000人ほど)。※目測です
イメージ的には、一番大きいMAHOLANステージがフジロックのホワイトステージを2周り小さくしたような感じ。大型フェスだと、会場図を見る限りはステージ間が近いように思えても、実際は結構歩く必要があるんですよね。
マホラソップは違いました。マジで隣同士なんです。
ここがメインステージのMAHOLON入口。奥側にステージもしっかり見えていますね。
で、これがそのまま90度左を向いた写真。奥に見えてるのがKHAMRAMステージ。近いってもんじゃない。マジで隣でしょ。
音かぶりはひどいが簡単に最前列付近まで行ける
これだけ距離が近いので、当然音かぶりも結構なものです。演奏時間帯はある程度ずらしてくれてはいるものの、両方のステージで演奏されている時間帯もあります。
両ステージとも最前列付近まで行けば音かぶりが気にならないレベルになるので、お目当てのアーティストの演奏中はとにかく前へ進みましょう。
普通のフェスなら最前列付近を確保するのは非常に労力がかかりますし、出番まで一歩も動けないことも多いかと思います。マホラソップ、そんなストレスは一切ありません。来場者が2日間で5、6000人程度の規模らしいので、ヘッドライナーの演奏中でも最前付近までスイスイ行けました。
ここがすごいぞMaho Rasop Festival
ここからは良くも悪くも、マホラソップのフェス自体の特徴を紹介していきます。
会場内は全ての決済がキャッシュレス
これは初めてだったので驚いたのですが、マホラソップは場内のあらゆる決済がキャッシュレスです。
秘密はこのリストバンド。ICチップが内蔵されているのですが、リストバンドにあらかじめお金をチャージし、支払い時に店の人が端末でスキャンすると支払いができる仕組みになっています。
リストバンドへのお金のチャージは「TOP-UP」という看板が出ているブースで行います。現金とクレジットカードが使えますので好みの方をどうぞ。
こういうとき、チャージするブースが少なすぎて行列ができるなんてこともありがちですが、マホラソップはむしろその逆で、チャージできるブースがそこかしこにあって供給過多でした。ユーザーフレンドリーすぎない?
もちろん余った場合は返金対応も可能です。お帰りの際にTOP-UPブースへどうぞ。
ただし、さすがに終演後は返金対応で各ブースも行列ができてました。ヘッドライナー前に済ませておくのがいいですよ。
ビール1杯300円以下!飯もドリンクも安くて美味い
タイといえば日本と比べて物価がとても安い国としてもおなじみですよね。路上に屋台もたくさん出ていて、100バーツ(約360円)もあればお腹いっぱい食べることができます。
フェス会場でも物価の安さは健在でした。
アジア圏のビールは比較的ライトな飲み口で日本人も馴染みやすい味わいなのですが、ご多分に漏れず飲みやすさは抜群です。
キンッキンに冷えた缶で提供されるのですが、価格は1本なんと80バーツ(約290円)。一般的な日本のフェスのおよそ半額です。
ちなみにアルコール類は17時から提供となります。 それまではビールのブースで販売されている水(500ml20バーツ=約70円)か、フードコーナーで販売されているドリンクで乾きを癒やしましょう。
タイといえばマンゴー。作り置きを出さずに、その場で果実をミキサーにかけてくれる。めちゃめちゃ美味かった。1杯160バーツ(約580円)。
ウォッカとグリーンアップルのリキュールで作るカクテルをバケツにぶちこんだやつ。KHAO HORNという名前だったかしら。およそ1リットル入った超得サイズなのですが、お値段は驚愕の135バーツ(約490円)。ぬるくならないし、何よりいくら飲んでも無くならない。まじで。
そしてなぜかフードの写真を一切撮っていなかったのですが、全部で15ブースほどが出店してました。
2本食べれば女子だとお腹いっぱいになるであろうバカでかいサイズの串焼きBBQが1本70バーツ(約250円)で売っていたり、16種類くらいから味が選べるオムライスが130バーツ(約470円)だったりと、ほんっっとうにコスパが良いものばかり。ここで暮らしたい。
フードブース近くには座れる場所も完備。会場入口付近にも座れる場所が多いので、ゆっくりとくつろいで食事できます。
難点があるとすれば提供スピードのみ。フードブースは1店舗あたり2、3人で回していたので、混み合う時間になると平気で10分以上待つ場合もあります。目当てのアーティストの直前に注文すると多分間に合わないので余裕を持ったオーダーをおすすめします。
備え付けの紙が無い…。トイレには要注意
トイレはメインステージの左サイドに男女とも設置されています。少なくとも男子トイレは開催中に行列ができるなんてことは一度もありませんでしたのでノンストレス。
ただし、注意してほしいのが個室(仮設トイレ)利用時。タイのトイレはそもそもトイレットペーパーがついていない場合が多く、ウォーターガンという手動のウォッシュレットで洗います。
で、洗った後に拭くペーパーが個室内に設置されていません。トイレゾーン入り口にペーパーが設置されているので、忘れずに取ってから個室へと向かってください。あとで悲惨なことになります。
オーディエンスの雰囲気がゆるい
タイの人は基本的にのんびり、おおらかな性格の人が多いためか、ライブ中もゆる~~~~く見ている人が多い印象でした。ゆっくりライブを楽しみたい人にはピッタリです。
※Kinggizzardのときは最前付近はモッシュ、ダイブの嵐でした。暴れたい人は暴れれば良いし、チルりたい人はチルってもいいんだと。
そしてお気づきの方もいるかもしれないですが、会場内は全然ゴミが落ちてないです。至るところにゴミ箱が備えられている上に分別マナーも良い。会場内では日本人もちらほら見かけましたが、マナーが良いというのは日本人的にも気持ちよく過ごせて嬉しいですよね。
タイのバンドがとても良かった
普通に暮らしてるとそうないと思うんですよ、タイのバンドの演奏を見る機会って。マホラソップでは日中はタイのアーティスト中心に演奏しているのですが、とても良いバンドが多かったです。
例えばこの「FOLK9」。チルい。そこはかとなくチルい。どことなくネバヤンみもあって、とても耳馴染みの良いメロディに一発でファンになりました。
こちらは世界的人気を博す「Phum Viphurit」。マホラソップでは黄色い歓声を浴びていました。パフォーマンスも抜群に良く、地元で見るライブっていうのはまた一味違った熱も感じました。
こんな感じで知らない音楽に出会えるのがフェスの最大の魅力だと思っているのですが、ところ変われば出るアーティストも当然変わってくるわけで。英米圏とはまた異なる味わいの音楽と出会えるのもマホラソップの良いところなんじゃないかと。
まとめ:Maho Rasop Festivalは海外フェスデビューにおすすめ
ということでタイのフェス、マホラソップについて徹底的に解説してきました。タイはコミュニケーションに不安がある人にとっても行きやすく、なおかつ物価も安く、さらに治安も比較的良い国です。
出費も抑えながら気軽に海外フェスを楽しみたい方は、ぜひマホラソップに行ってみてはいかがでしょう。
2020年は11月7日(土)・8日(日)に開催が決定しています。僕もアーティストしだいでは来年も行こうかなと。続報を心待ちにしておきましょう!
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