2018年のサマソニで見せた圧巻のパフォーマンスが記憶に新しい「Tame Impala」(テーム・インパラ)。僕もほぼ彼ら目当てで昨年サマソニに参加したのですが、余裕でチケット代の元が取れるくらい素晴らしいステージでした。
2019年には世界最大規模のフェス「コーチェラ」のヘッドライナーとして出演することが発表され、もはや名実ともに世界トップレベルのサイケロックバンドと言っても過言ではありません。
が、私の周りにはインパラー(※テーム・インパラを聴く人。造語)が全ッッ然いません! こんなに素晴らしいバンドなのに!
そこで今回は「なんとなく名前は聞いたことがあるけどTame Impalaって何者なの?」という方に向け、彼らの魅力をご紹介します。いや、布教します。
Tame Impalaの魅力・特徴
Tame Impalaは2008年にデビューしたオーストラリアのサイケロックバンドです。
彼らを3行で語るとするなら、
- サイケデリック・ロックに“キャッチーさ”を加えたバンド
- 脳汁ドバドバ! 浮遊感あふれるスウィートなサウンド
- 天才・ケヴィン・パーカーの圧倒的存在感
です。
こんなアーティストが好きな人におすすめ
ちょっとダークな雰囲気の曲や、エレクトリック、ダンサブルなサウンドが好きならハマるはず!
サイケデリック・ロックに“キャッチーさ”を加えたバンド
サイケロックといえば、60年代後半に一世を風靡したジャンル。ドラッグ(とりわけLSD)による幻覚作用や歪んだ世界を音楽で表現したものとよく例えられます。
それゆえにドラッグ文化と縁がない日本人には、少しとっつきにくいジャンルでもあります。一聴しただけでは「何だこれ?」と難解な印象を持たれがちなのがサイケロックの常でした。
しかし、Tame Impalaはポップでキャッチーな現代シーンのサウンドを取り入れ、サイケロックを再構築してくれたのです。
脳汁ドバドバ! 浮遊感あふれるスウィートなサウンド
「サイケロックの再構築って一体どういうことなの?」というのは、かつてのサイケロックとTame Impalaの曲を聴いてもらうとすぐに分かるはずです。
一番分かりやすい違いは、シンセサイザーやエフェクターをふんだんに盛り込んでいるという点。(もちろん時代や例に挙げた楽曲しだいで一概には言えませんが…)
ただ、それでいてサイケの根源にある世界観は保ちつつ、ダンスミュージックやエレクトロといった、近年のポップミュージックのジャンルまで取り込んでいるのが分かるかと思います。
どうです、この心地よい浮遊感ときらびやかな音。脳汁ドバドバ出ませんか?
半世紀前のムーブメントを現代風に解釈し、彼ら自身の音として昇華した3rdアルバム「Current」はPitchfolkで9.3点という高得点を叩き出し、その年を代表する名盤となりました。
天才・ケヴィン・パーカーの圧倒的存在感
そんな楽曲を担っているのが、フロントマンのケヴィン・パーカーその人です。
バンドサウンドの要…というより、なんでもほぼ一人でバンドの曲を作り上げているそう。マーク・ロンソンやセオフィラス・ロンドンなどにフィーチャリングされたことでも有名ですね。
ジョンレノンを思わせるようなハイトーンボイスとトレードマークのロン毛。ライブではステージに立つだけで圧倒的な存在感を発揮してくれます。
Tame Impala 必聴の3曲を紹介
そんな彼らを語る上で見逃せない楽曲は数多くありますが、今回は3曲だけピックアップさせていただきました。この曲を聴いて1曲でも気に入ったものがあれば、ぜひ他の曲も聴いてみてください。
「Currents」のリード曲「Let It Happen」
ファンにはもはや説明不要。3rdアルバム「Currents」をリードする一曲です。
1stアルバム「インナースピーカー」ではかつてのサイケロックを彷彿とさせるギターサウンドをふんだんに取り入れていたのですが、2ndアルバム「ローナイズム」ではポップミュージックへの転換を予感させました。「Let It Happen」は、その変化を如実に感じられる一曲となっています。
ダンサブルな「The Less I Know The Better 」
3rdアルバム「カレンツ」に収録。
ローファイなベースライン、80’sハウス・ミュージックのエッセンスも感じさせるシンセサイザー、ケヴィンのクリアなファルセットのハーモニーが素晴らしいですね!
ライブでは大合唱!「Feels Like We Only Go Backwards」
2ndアルバムを象徴する一曲です。お聴きの通り、ギターがほとんど入っていません。この頃にはすでにポップ・ミュージックのキャッチーな要素が組み込まれていることが分かります。
ライブではヴァースで大合唱が起きることでもおなじみです。
新作のリリースが今最も期待されるバンドのひとつ
サイケデリックを現代のシーンに調和させ、新たなジャンルを切り拓いたテームインパラ。アルバム「Currents」の発売から3年が過ぎた今、次回作でこのバンドの評価がまた大きな節目を迎えることは間違いないでしょう。
昨年には新譜が出るのではと噂されていましたがまだその気配はありません。発売されたら即感想をアップしたいところです!
2018年はサマソニに出演! その後の来日予定は…
2018年にサマソニに出演したテーム・インパラですが、2019年1月現在、来日予定はありません。公演情報が入り次第更新しますので、お楽しみに!
元メンバー:ニック・アルブルックにも注目を!
2013年までベーシストとして在籍していたニック・アルブルックは、現在「Pond」(ポンド)というバンドの中心人物として活躍しています(もともと掛け持ちしていたが、Pondでの活動に専念するため脱退したそう)
Pondがどんなバンドかを知りたい人はまずこのMVを見てください。一発で分かりますので。
中毒性はんぱないですよね。Pondも現代サイケロックにおいて意義が大きいバンドかと思いますので、ぜひ改めてレビューしたいと思っています。
otomonokotoでは、今後も注目のアーティストを国内外問わずレビュー予定です。皆さんのおすすめのアーティストもぜひ教えてください!
https://www.youtube.com/channel/UCdI8MAC5HoPJSJ4zrgDDI-Q
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