こんばんわ、風邪気味の稲生ヒロです。鼻水が止まらぬ…。
風邪を引いた時にはドリーミーでゆるふわなポップミュージックを聴くと寝付きが良くなると風のうわさで聞きましたので、今日はKeroKeroBonitoを紹介します。
けろけろぼにと。bonitoは英語でカツオ。
なんだこのグループ名はと思って曲を聴いてみると、イギリスのグループなのに日本語MCだらけのゆるふわサウンドをかまされる。なんだこのグループは。
この方たち、日本でこそ流行るべきだと思うんですよね。原宿系に通ずるようなカラフルでナンセンスなものがあって、とにかくキャッチーというかキッチュというか、KAWAIIしTANOSHIIんです。
ということで個人的に2019年注目のグループでもある、ケロケロボニトの魅力をたっぷりとお伝えします。
Kero Kero Bonitoのプロフィールと魅力
Kero Kero Bonito(けろけろぼにと)はイギリスの3人組エレクトロ・ポップグループ。ひらがなで書くと10代女子とかすごく好きそうな字面ですよね(偏見)
メンバーはセーラ(ヴォーカル、MC)、ガス(サウンドクリエイター)、ジェイミー(サウンドクリエイター)の3人で、ヴォーカルのセーラは日本とイギリスのハーフなのです。
そしてガスとジェイミーは日本の文化が大好きで、電気グルーブやHALCALIからも影響を受けているほど。幼馴染の彼らが元々グループを結成していて、ネットで日本語の喋れるMCを募集したところ見つかったのがセーラだったんですって。
セーラは13歳の頃まで日本で暮らしていたので、日本語も英語も堪能なバイリンガル女子です。どこか幼さの残るたどたどしい感じの日本語ラップがたまらなくかわいい!
このグループには水曜日のカンパネラ・コムアイもコメントを寄せていて、
セーラのラップにも彼女のマルチレイシャルな出自が表れているし、バンド自体の音楽性も無国籍なかんじ、国籍だけでなくカルチャーもクロスしている。人間が生きていればそれが当たり前で、それまで積んできた文化のねじれや重なりをそのまま表現に出しているバンド、もっと増えていきそうです。
とのことだそうです。おっしゃる通りかと。
2019年現在、3枚のアルバムを発表済。2017年にはサマソニにも出演しています。もうひとつ何か着火剤があれば日本でもすぐブームになることでしょうね。
こんなアーティストが好きな人におすすめ
ゆる~いポップやエレクトロサウンドがお好きなあなたは今すぐ聴くべし!
中毒性の高いゆる~いポップ・ミュージック
ファンク、ヒップホップ、テクノから影響を受けたビートにのせたチープなサウンド。コムアイのコメントの通り、ジャンルレスで無国籍的な音楽とでもいうべきでしょうか。非常にとっつきやすいゆる~い曲が彼らの魅力です。
さらに、セーラのゆる~い日本語MCが良い味を出しているんですよね。
初めて聴いたときは「なんだこれ」ってなるかもしれないんですが、アルバムを一周する頃にはその独特な雰囲気にいつの間にかやみつきになっているはず。
アルバムを2周もすると頭の中にメロディが染みついて、日常生活に支障をきたすほど。(と、Youtubeコメントでよく書かれている)
3rdアルバムはちょっと毛色が変わって、ローファイでエモい仕上がりになっていました。セーラのMCもちょっとこなれた感じになっていたのですが、近年の日本の音楽をまた吸収した結果、変化していったのかなという印象を感じさせます。
随所に見える日本文化リスペクト
なんてったって1stアルバムの1曲目の第一声が「こんにちはーけろけろぼにとです(棒読み)」ですから。しかもオケはクロノトリガー。面白すぎる。
イギリス拠点なのに日本語をバリバリ取り入れている時点で強すぎる日本愛が伺えるのですが、実は曲中にもジャパニーズカルチャーを随所に組み込んています。
「電気グルーブでJ-POPの編曲の素晴らしさを知った」とメンバーのガスが話しているのですが、やけに耳に馴染むのはJ-POPらしいアレンジが成されているゆえなのでしょう。
また、こんな↓感じの曲が多いのも日本人なら思わずにやりとしてしまいます。
ね、どこかで聴いた音ばかりでしょ? KONAMIのジングルとか、ニンテンドー64以来に聴いたわ。
他の曲でも日本のゲームのSEをさり気なくサンプリングしているのです。30代大歓喜な一昔前のハードばかりなのも良い。
セーラのMCがとにかくKAWAII
こればっかりはまず聴いてください。
ちなみに曲調と裏腹に、日本語歌詞では結構エグいことも言っています。
KeroKeroBonitoおすすめの3曲
中毒者続出の代表曲「Flamingo」
Majestic Casualという人気のYoutubeチャンネルでも紹介され、海外では一番知名度の高い曲がこちら。
「Kero Kero Bonito Flamingo」で検索するとサジェストで「meme」と出てくるあたりお察し案件です。4chanとかRedditで流行ったんでしょうか。
急にどうした!? 「Only Acting」
怖えよ。
さきほど3rdアルバムは毛色が変わったと言いましたが、この曲はその最たる例。「リング」のオマージュなんでしょうね。
Cメジャースケールの爽やかなバンドサウンド、セーラのヴォーカル、VHSっぽい映像。00年代初頭のガールズバンドかな、と思わせておいてからの後半の暴走具合よ。
前向きな気持ちになれるディスコナンバー「Trampoline」
すごく中田ヤスタカチックな気がしないでもないですが、正統派なナンバーですよね。
本人たちもこの曲には思い入れが強いようで「落ちるからこそまた飛び上がれるんだ」という歌詞は、「限りある人生をポジティブに楽しもう」というバンドのコンセプトを表しているんだとか(参照記事)。
まとめ:なぜ日本で流行らないのかが謎
曲を聴くと分かる通り、このグループは日本の10代、20代にすごく支持されそうだと思うんですよ。しかしながら日本でプロモーションをスタートしたのが近年ということも相まって、まだまだ一部の界隈でしか浸透していないのも事実です。
彼女たちはもしかしたら日本だけでなく、世界の音楽シーンを席巻することになるかもしれません。ジャンルレスなサウンドは言い換えればインターナショナルな音楽とも取れますし、何よりもとっつきやすいんですよね。
日本の文化を積極的に取り入れたイギリスのバンドがヒットしたならば、それはもはや音楽の世界に垣根が無いということの証明となります。今後の活躍に期待です!
otomonokotoでは、今後も注目のアーティストを国内外問わずレビュー予定です。皆さんのおすすめのアーティストもぜひ教えてください!
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