Suchmos、D.A.N、cero、yahyel エトセトラエトセトラ・・・。
2010年後半はシティポップリバイバルが叫ばれた年代となりましたが、
「もうオシャレ、セツナ系ポップの流れ飽きた!」
と言われることも少なくないように思います。
そんなとき、突如現れたバンドが日本のポップシーンに新たな風を吹かせました。
ということで今日は1月16日にセカンドアルバムが発売されたKing Gnu(キング・ヌー)をレビューします。
King Gnuの魅力・特徴
- 洗練されているがどこか野性的。一発でハマるグルーブ感
- ジャンル分け不可能! 「東京」を体現したカオスなメロディ
- アートワークもクリエイティブの塊
King Gnuは東京藝術大学に在籍歴のあるヴォーカル・常田大希を中心とする4人組ミクスチャー・ツインヴォーカルバンドです。 前身のバンドSrv.Vinci(サーヴァ・ヴィンチ)から突如改名後、鮮烈なデビューを果たしました。
King Gnuはこんなアーティストが好きな人におすすめ
2010年代のシティポップ、ミクスチャーを聴いてきた人にストライク!
洗練されているがどこか野性的。一発でハマるグルーブ感
百聞は一見にしかずと言いますので、まずは一曲お聴きください。
か、かっこえぇ・・・!
みょんみょんと鳴るサンプラー、あふれんばかりのグルーブに満ちたイントロから、拡声器を使い始まるラップパート。その後ろで鳴り響くストリングスや金管まで取り入れた仰々しいメロディ。
一見オーバーに思えるアレンジなのに 、とてもまとまりがある。洗練されているし、何よりグルーブ感がすごい。
そしてオシャレだけど、どこか野性的。音楽に対する隠しきれない情動、これぞKing Gnuの魅力かと思います。
この曲「Slumberland」はYoutubeのトップコメントで、
「治安が悪いセサミストリート」
なんて言われていますが、ある意味では的を外していないコメントかと。
ジャンル分け不可能! 「東京」を体現したカオスな楽曲たち
世界的に見ても東京は不思議な都市だと言われていますが、King Gnuの音楽は東京という街のカオスな側面を見事に表しているように思います。
自らの音楽を「 トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル 」と称していますが、聴けば「あ、たしかに」って不思議と納得しちゃいますもんね。
さきほどの荒々しさを感じる「Slumberland」とは一転、ピアノの切ないメロディラインが光る「Mcdonald Romance」。オルタナティブ・ロックからヒップホップ、そしてこの曲のようにファンクネスなバラッドまでできてしまうので、もはや彼らはジャンル分けができない。
もう財布の底は見えてしまったけど それさえも笑いあった それさえも恋だった
King Gnu「Mcdonald Romance」
ミレニアル世代の諦念を見据えたような、マインドネスに響く歌詞も絶品。でもなんだかんだで僕ら笑いあえてたんだね、そんなこともあったね、っていう。そんなちょっと安っぽくてファストファッション的な関係性を「マクドナルド」というブランドになぞらえて大胆にも表現している。
か、かっこえぇ…!
アートワークもクリエイティブの塊
彼らのMVは「PERIMETRON」というクリエイターグループが手掛けているのですが、実はこれ、ヴォーカルの常田氏が立ち上げたグループなんだそう。どれだけ多才なのですか。
音楽を生業にしている人はクリエイターとアーティストに大分できるそうです。前者が「対価の支払いに応じて、顧客が求めるものを作る人」、そして後者が「自分の思想を表現し、それを評価してくれる人により対価を得る人」なんだとか。
常田氏は間違いなく後者、アーティストとしての性質が多いようにも思えます。やりたいことを遠慮せずにやっている感が歌詞にも曲にもとても出ていますし、結果として評価されて当たり前のものを生み出しているのではないかなと。う~ん、クリエイティブ!
まず押さえたい! King Gnuおすすめの3曲
CMソング起用で話題になった「Vinyl」
ラジオなんかでも聴くことが多くなりましたよね。
アンダーグラウンドな雰囲気が漂うサウンドと歌詞、エロティックでどこか煩雑としたMV。歌詞中にも「るつぼ」という言葉が登場しますが、東京のカオスな一面を表すのにぴったりな一曲です。
1stアルバムの1曲目「Tokyo Rendez-Vous」
知名度を上げたデビュー曲。読みは「トーキョーランデブー」。
“眠れない街”の鬱憤を晴らすように唸るギター、ヴォーカル・井口さんのハイトーンボイスがなんとも心地良い。タイトなリズム隊が繰り出すグルーヴ感もGoodなのです!
スピード感あふれるキラーチューン「Flash!!!」
アメリカンカートゥーンを組み合わせたMVがまた鮮烈。3分弱があっという間に過ぎる疾走感はまさにFlash! ギターのストロークがま~爽快です!
サイケロックまで咀嚼して、色々なジャンルと合体させる。King Gnuにしか生み出せない曲だなと思わされますね。
まとめ:King Gnuは次世代のポップシーンを担うバンド
シティポップというジャンルも飽和しつつあった2010年代後半。そんなときに突如現れたKing Gnuは、今後多くのフォロワーを生み出す重要なバンドになるのではないかと思っています。
2ndアルバム「Sympa」も発売し、全国ツアーも決定した今、今後の活躍がますます期待されるバンドです。
というか、去年フジロック出てたんですね…。当時ノーマークだったので今になって後悔しています…!
otomonokotoでは、今後も注目のアーティストを国内外問わずレビュー予定です。皆さんのおすすめのアーティストもぜひ教えてください!
http://kinggnu.jp/
King Gnu Youtubeチャンネル https://www.youtube.com/channel/UCkB8HnJSDSJ2hkLQFUc-YrQ
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